30代 女性
もう何年前のコピーになるのか…
ティファニーの広告に書かれていた「人生にティファニーを」のコピー。
まだまだ若かった私はそれを見て、素敵なコピーだとは思ったものの、私の人生にティファニーが関係してくることなんてあるのだろうか?
と思っていた。
それから十数年が経過し、私の人生に初めてティファニーが訪れた。
今から7年前の事である。
7年前の6月22日。そう、息子の生まれた日だ。
明け方分娩を終え、生まれたばかりの息子と喜びの対面を果たし、夫は一旦仕事へ向かって行った。
夕方になり、私の体調もだいぶ落ち着き、息子も私の病室に運ばれてきてベッドの横ですやすやと眠っている。
やがて夜になり、仕事を終え病室に来た夫の手に握られていたのが、
ティファニーのあのブルーの紙袋だった。
「おめでとう。ありがとう」の言葉とともに
それは私の手に渡った。
中にはもちろん、ブルーの小さな箱。
そして更にその中には、バイザヤードの一粒ダイヤのネックレスが入っていた。
瞬間、一粒の小さなダイヤが、生まれたてほやほやの息子の姿と重なって、
儚い様な、それでいて力強く輝いていたのを今でも鮮明に覚えている。
私の初めてのティファニーは、夫が私と息子の為に用意してくれたサプライズだった。
男の人が一人でティファニーブティックに入るのは勇気のいることだったと思う。
ましてや夫である。想像しただけでもちょっと笑ってしまう。
だけど、すごく嬉しかった。
私の人生で最初のティファニーは、最高のタイミングで
最高の喜びとともにやってきた。
今でもネックレスとともに家族は私の大切な宝物だ。